2022年07月07日
身体の記憶
私は6年前の脳幹出血で全身麻痺となってからは、立ったり歩いたり話したりのリハビリを継続してきました。
それでも頻繁に足をつったりするため、危険と判断して水に浸かったことはありませんでした。
しかし昨年からは軽いラジオ体操もどきの運動もゆっくりなら転ばずにできるようになったので、昨日は倒れてから初めてプールに浸かってみました。
近所の中学校に室内温水プールがあり、夕方からは一般公開されていたのです。
いきなり泳ぐのではなく、まずは水の中を散歩してきました。
生まれ育った土地柄から、私は海でも川でもプールでもよく泳いで子供時代を過ごしていました。
半世紀前は管理体制に文句をつける人もいなかったせいか、今思えば皆が自己責任で自由に暮らしていたのですね。
すると、その頃の健康な自分の肉体感覚が蘇ってきました。
陸上では当然のことながら重力に縛られるから、歩くのはもちろん座っていても横になっても今の私には常に身体がしんどいわけです。
ところが水中では浮力のはたらきで重力が激減するため、3次元にいることを忘れてしまう身体の軽さを久しぶりに経験しました。
15年前頃には自分が夜にスポーツクラブでよく泳いでいた記憶もフラッシュバックされました。
健康な肉体の細胞の記憶が甦れば、一旦は損なった健康をこれから取り戻すことも容易になるでしょう。
それこそ「イメージトレーニング」ですね!
記憶とは脳だけの機能でありません。
全身の各細胞とも連動して記憶は封じ込まれているのですが、現在の医療ではそれが解明されていないだけなのです。
頭で考えるだけよりも行動を起こした方が早いということには、そんな理由もあるのです。
経験から学ぶ方が頭で覚えるよりも断然効率的。
だから、受験勉強ばかりしている子供よりもよく遊んでいる子供の方が人生の学びが大きいのです。
今の私は眼や手が自由に使えなくて文字を使った座学は今のところできません。
そのことが返ってありきたりな講座みたいになることを回避しているのですから、特徴を欠点とするも利点とするも捉え方次第だということなのですね。