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身体ではなく心
2019年10月17日

身体ではなく心

私は3年前に脳幹出血で一度失明をしました。

厳密には真っ暗な失明ではなくて右目と左目の視覚情報を脳が処理できなくなって、常に壊れた万華鏡を覗いているような錯乱した視覚で過ごしていたのです。敢えて言うなら「3D映画を裸眼で観ている」のもっと酷いヴァージョン(笑)片目ならまだマシなので、眼帯を左右交互にして生活していました。

 

歩けるようになりそうな時期となっても、向こうからやってくる人の数や車の台数が全く認識できませんでした。それで、自ずと車も入ってこなくて人通りもまばらな公園道路でヨレヨレしながら歩く猛練習を一人重ねてきたのです。

 

眼に限らず、生まれつき肉体に障害のある人は少なくありません。それでも幼少時から人間社会に適応できるような訓練を出来得る限りの時間をかけて養うでしょう。一定以上の年齢に達してから突如失ってしまう肉体機能というものはダメージが大きいのです。私は視力だけではなく、多くの肉体機能を数時間で失いました。ものを飲み込むことも糞尿を体内に留めておくことも一時期はできなかった。私が倒れた同日に出てきた生後数日の息子と全く同じ!笑

 

もう肉体以上にメンタルの問題です。起き上がりも出来ないのに歩こうと思うのか?眼が視えないのに読み書きをしようと考えるのか?私は「する」と決めたから出来るようになっているのです。

 

今日、バス停でバスが一台近付いてくるのが裸眼で視覚認識できました。リハビリ病院で文庫本を顔から数センチの位置に構えて片目で読んでいた3年前の心情が蘇ってきました。

あれから3年… 肉体機能の修復には時間がかかります。
前向きな気持ちを維持できるかどうか、それこそが最大の課題なのです。