お知らせ

2019年07月12日

ささやかでも諦めないで継続する

3年前に脳幹出血で倒れて意識不明の重体になって以来、私は全身の感覚がほぼ失われてしまいました。

 

リハビリ病院で立ったり歩いたりの大雑把な練習をしている間も、風呂は危険だから監視されていて頭を係員に洗ってもらっていました。天気シェーバーで髭は雑に剃っていましたが、刃物は危険で厳禁。爪切りなんてもっての他でした。

 

退院する頃には少しずつ全身の感覚も戻ってきていましたが、退院後もシャワーは倒れないように手すりにしがみ付きながら介護用椅子に座って済ましていたし、爪切りも肉を切ってしまわぬよう雑に切るのが精一杯でキレイに切れたためしがありませんでした。

 

手のリハビリで布袋の中に入っている積み木の形を当てる作業もしていたので、正に乳児に戻った感覚(笑)。以後も一生他人の世話を受けて生きて行くことは避けたかったので、ここ2年は移動中にも手の指を動かす訓練をしたりと工夫して自分一人でできる事は常にしてきました。そしてついに今日、キレイに手と足の爪を切ることができたのです。

 

処方された錠剤の薬も、自分では飛んでいったり落としたりで飲む分がなくなってしまうので誰かに袋詰めしてもらっていたのですが、今日トライしてみたら自分で子袋に小分けできました。一度はあそこまで失っていた指の感覚が少しずつ取り戻せているのです。手すりにつかまっていないと直立することも難しかったのですが、直立も数分ならできるようになりました。

 

どんなに絶望的なダメージを受けても諦めずに希望を持って取り組めば徐々にですが何とかできるようになるということ、身をもって経験しています。